ゆめのつづき

 

 

 

 夢の中で、いつも会う男の子がいる。

 

 

『オレ数えてんだ。102回! 同じ夢さ』

 

 

 その子は、もう一人の私の幼なじみ。

 背は私よりもちょっと低くて、勉強はあまり得意じゃない方だ。

 ケンカにも負けてばかりで、毎日友達にからかわれてばかり。

 でも、いつもキラキラした瞳で、彼は夢の世界の話をする。

 毎晩見る、私が住む世界の話を。

 

 

 彼の口から語られる世界は、知っているはずなのに新しく感じられて。だからかな、私は前よりももっと、私の知るこの世界が好きになった。

 そしていつか、漠然とだけど。彼と会えたらなぁって、思ってた。

 誰にも言ったことのない、私だけの小さなゆめ。

 

 

 暗い氷の中でも、遮られることなくまっすぐ届いた声。

 あたたかな光を瞼に感じる。

 

 

『今……そこから出してやるぞ』

 

 

 夢から覚める様に、目を開けて。

 初めて見たのは、ずっと前から知ってたひと。

 

 

 

 やっと会えた、夢の中のあなた。

 

 

 

END

 

 

 

 

Twitterでメルファンの方々(通称・メルクラさん)とスノウの話題になり色々考えていた所、ふとGARNET CROWの「鏡に見た夢」が小雪とスノウの歌のようだなと思い至りました。

改めて聞いてみたら、歌詞がアニメでのスノウとリンクしているようで、そこから膨らんだイメージと、以前思い付いて大筋だけ書いていたネタを組み合わせたものです。

 

構成はギンタ視点のものと、スノウ視点の二つ。ネタの段階では別々のssでしたが、曲を聴いた後だとテーマが同じように思えたのでこの様な形にしてみました。

文中の「私」や「夢」「体」などが指す対象は、スノウと小雪、どちらもとれる表現にしてみたつもりです。

 

アニメルのスノウは終盤本当に切なくて、考えると辛いのですが同時に儚い魅力があるようにも感じます。

 

短いですが、少しでもスノウの感情が伝わるものであれば幸いです。

ご拝読下さり、有り難うございました!

 

2014.5.13