encount アルヴィスside
心地よい微睡みから覚めたアルヴィスは、暖かい陽射しの温もりを体に感じながら瞳を開けた。
しばし目を瞬かせ、眠気の名残を打ち払うと、傍らにいる人物に気付く。
先刻まで自分が読んでいた本で目元を覆い、唇をわずかに開けて眠る盗賊の男。
その事実にアルヴィスはいささか目を丸くしたが、ふと本の背表紙をつまみほんの少しずらしてみる。
と、眠っているナナシの目元に光が射し込んだ。
直に日光を受け、照らされた額が眩しそうに皺を寄せる。
それが何だかおかしくて、アルヴィスは思わず笑みを零す。
手に取った本を、顔が陰になるよう優しく上へ引き寄せる。
読みかけだが仕方ない。
アルヴィスはいくつか持ってきた本の一つを選んで、新しくページを開いた。
END
本編では決して見せない素振りです(笑)